「意思能力を欠くもの」第5回 ~認知症と成年後見制度~

こんにちは。

司法書士の中田です。北海道芽室町よりお届けしております。

認知症になる前に知っておいていただきたい制度ということで、シリーズ数回に分けてご紹介しております。

このシリーズも第5回目になりました!

これまでは、任意後見と法定後見の制度についてご紹介してきました。

今回はこの2種類の制度の違いについてご紹介いたします。

 

~任意後見制度と法定後見制度の違いについて考える~

 

まず一番大きな違いは、後見制度の利用時期です。任意後見は、本人の判断能力が充分なうちに後見人を選んで契約しておくのに対し、法定後見は、本人の判断能力がなくなった後に親族などが申し立てを行います。

 

それではもう少し具体的に。

 

  • 任意後見人

1、後見人を自分で決定できる

自分で気に入った人や信頼できる人を選んでその人に将来任意後見人になってもらうように依頼する事ができます。身近な人を指定することも、弁護士や司法書士などの専門職を指定することも可能です。

 

2、後見人の報酬を自分で決定できる

自分の意思で後見人に支払う報酬を決めることができます。

後見人になる人との合意が得られれば、無報酬とすることも可能です。

 

3、業務内容を自由に決めることができる

自分の意思で後見人の業務内容を決めることができます。

金銭の管理方法や処分方法、使い方などを指定することもできますし、自分が入居する施設や病院の指定などもすることができます。

 

 

  • 法定後見
  1. 後見人を自分で決定できない

親族などが後見開始の申立てをした際に候補者を挙げることはできます。

しかし、あくまで裁判所に決定権があるため、候補者以外の人が選任されることもあります。

 

2、後見人の報酬を自分で決定することができない

裁判所が後見人に支払う報酬額を決めます。

報酬額は、管理財産額により違いますが、だいたい月額2万円以上になります。

無報酬になることはありません。

 

  1. 業務内容を自由に決めることができない

法定後見は、判断能力がなくなった本人の財産を守るために業務を行います。

そのため、孫への養育費・教育費の贈与のような家族のためとなる財産の利用、賃貸物件の経営といった財産の運用はできなくなります。

 

法定後見は、認知症など断能力等の低下により、「財産の管理ができない」、「介護サービスや施設の利用契約ができない」、「遺産分割協議ができない」といったような場合、親族が申立てを行い法定後見制度を利用するというケースが多いのではないでしょうか。 高齢化社会の現代では必然的にこの制度を利用しなくてはならないということも決して他人ごとではありません。 ←詳しくは第1回目からご紹介しております。

 

これに対して任意後見は、あくまでも自分や家族の将来に対する備えのため「自主的」に利用する制度です。利用するもしないも自分次第ということです。すなわち、判断の能力があるので、自分で考え、自分で決められるということです。

 

まだまだ大丈夫! そのうち考えよう!

と、思っていませんか?

任意後見に対する認識はまだまだごく少数に留まっているように見受けられます。

 

次回は「任意後見制度の注意点」についてご紹介いたします。

 

それでは、よい週末をお過ごしください。

「意思能力を欠くもの」第4回 ~認知症と成年後見制度~  

こんにちは。

司法書士の中田です。北海道芽室町よりお届けしております。

では、今日のテーマをさっそく。

 

第2回目でも少し触れていますが、今回は「任意後見制度」についてご紹介いたします。

 

そもそも「任意後見」とは何か?

 

本人がまだ判断能力があるうちに後見人になってほしい人を探し、その人と任意後見契約を交わし、将来自分の判断能力が低下したときには実際にその人に後見人になってもらい、自分が希望する内容の後見を実施してもらうことができる制度です。

 

認知症や脳梗塞、突然の事故で脳に損傷を受けてしまったなど、判断能力が十分に発揮できなくなってしまうことは誰にでも起こりうることです。

「任意後見制度」は、そのような場合に備えて、「誰に」「どんなことを頼むか」を事前に決めておくことで、安心した老後を迎えることができるのです。

 

では、わかりやすく順番にご説明しましょう。

 

1、今は何でも自分で決められる!

※現時点で判断能力に問題ない方がこの制度の対象になります

2、将来認知症になったときが心配

3、信頼できる人と任意後見契約を締結(家族、友人、弁護士、司法書士等の専門家など)

※公証人役場で公正証書を作成

4、少し認知症の症状になってきたかも、判断力に衰えが・・・

5、家庭裁判所に申し立て

※家庭裁判所が選任した任意後見監督人が任意後見人の仕事をチェックします

6、選任

7、任意後見人が任意後見契約で定められた仕事を行います(財産の管理や介護や生活面の手配など)

 

任意後見制度を利用する場合、公正証書によって任意後見契約書を作成する必要があり、判断能力が低下したときには家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立をして、後見を開始させる必要があります。

 

う・・・う~ん・・・・????

公正証書?任意後見監督人??任意後見契約書???

ちょっと聞きなれない言葉が多いですよね。

 

次回は任意後見と法定後見の違いについてご紹介いたします。

 

それでは、よい週末をお過ごしください。

 

「相続シリーズはじめました」第3回 ~相続後のスタートでは遅すぎる~

こんにちは。

司法書士の中田です。北海道芽室町よりお届けしております。

 

この相続シリーズも実は今回で最終回になります。

が、まだまだお伝えしたいことはたくさん!

今後も別な形でご紹介させていただければと思っております。

 

では、今日のテーマをさっそく。

 

「相続対策」 といっても、さまざまな観点があります。

ここでは大きな柱となる3つの対策についてご紹介します。

 

~相続対策の三本柱~

 

  1. 「相続対策」

相続税をいかに少なくするかということです。「生前贈与」や「養子縁組」などありますが、相続開始前に実行しておかなければ、節税効果はありません。

 

  1. 「納税資金対策」

相続税の納税資金をどのようにして準備するかという問題です。とくに相続財産の大半でもある不動産。これを怠ると大変な事態になりかねません。

納税資金対策では、生命保険の活用が効果的ですが、保険の種類や契約内容を慎重に検討することが大切です。

 

  1. 「遺産分割対策」

いわゆる“争族対策”です。たとえ節税や納税対策が万全でも、財産の分配を巡って相続人の間で争いが起こったのでは意味がありません。

実は、相続対策のなかで最も難しいといわれているのが、この問題なのです。

遺産の分割については、相続人で話し合って決めることが一番の理想です。しかし、全員が納得するようにまとめるのはなかなか難しいものです。

そこで、トラブルを未然に防ぐためにも、被相続人は自分の財産をだれに、どのように分配したいのかを、きちんと伝えることが重要なのです。

それを確実にするのが「遺言書の作成」です。

 

全3回にわたりご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

ひと口に相続といっても、受け継ぐ財産の種類や家族関係などによって対策法もいろいろです。

まずは、財産の内容をきちんと知ることから始め、次に有効な対策についてじっくり検討することが大切です。

 

 

それでは、良い週末をお過ごしください。

「相続シリーズはじめました」第2回 ~相続後のスタートでは遅すぎる~

こんにちは。

司法書士の中田です。北海道芽室町よりお届けしております。

 

先日から始めた相続シリーズ。今回は第2回目になります。

 

では、今日のテーマを。

 

前回は相続に対する意識の大切さについてお伝えしました。

では、実際に、何から始めればよいのでしょうか?

 

~相続で失敗しないためにおさえておきたい3つのポイント~

 

  1. 「できるだけ早く相続の準備を始める」

相続対策のスタートが早ければ早いほど、対応策の幅がぐっと広がります。財産や事業の引き継ぎをスムーズに行うためにも、あなたが相続人、被相続人にかかわらず、生前から相続について、万全の準備をしておくことが大切なのです。

 

  1. 「相続に関する法律や税金についてよく知る」

たとえば税金なら、「相続税とはどのようなものか」 「どの財産に対してどれだけ必要になるのか」 といったことを知らないままでは対策のしようがありません。

 

  1. 「相続財産の内容をしっかり把握する」

財産の構成や総額がわからなければ、「どのように遺産を分配するか」 「相続税がいくら発生するのか」 という答えを導き出すことはできません。

ただ、相続人となる子どもたちが、被相続人である親の財産やその分配について、生前にいろいろ尋ねるのは気が引けるものです。

しかし、ここでお互いの遠慮が原因で後のトラブルに発展するよりは、きちんと話し合いの席を設けることをおすすめします。

また、あなた自身が被相続人となるなら、あとで “争族” の火種にならないためにも、生前に財産の内容をきちんと伝えておくべきことはいうまでもありません。

 

次回は、「相続対策の三本柱」 をご紹介したいと思います。

 

それでは、よい週末をお過ごしください。

農家と相続と長男

こんにちは。

司法書士の中田です。北海道芽室町よりお届けしております。

 

では、今日のテーマをさっそく。

 

「長男が農地を継ぐのは当然だ。今までだってずっとそうだった。今更、何が問題だと言うのだ?」 と、長男。

 

「そんな時代錯誤な考え方、誰も賛成するわけがない!」 と、相続関係者の皆さん。猛烈に反対しております。

 

さらに、こちらの農地、賃料が入る収益不動産だったのです・・・・

 

さてさて、この家督相続(かとくそうぞく)意識、実はまだまだ残っているのが現状です。

 

時は明治・・・・

旧民法下では、家督相続という制度がとられていました。

さて、この「家督」という単語、いつの日か何かの授業で出てきたような・・・・

 

はい、解説します。

↓↓↓↓↓

家督とは、一家の主人(戸主)の身分に備わる権利と義務のこと。家督相続とは、戸主がもっていた地位を、次に戸主となる者が一人で承継する制度。一般的には長男が相続する。」

 

つまり、兄弟が何人いようと、基本的には長男が家督相続人となり、家の財産をすべて引き継ぐということですね。

前戸主の身分や財産をすべて受け継いだ家督相続人は、家の財産を守り、家族の面倒をみる立場にも立たされるため、戸主となる者はとても強い権限を持っていたということです。

 

そして現代・・・

社会の変化と同時に人々の意識も変わり始めました。

そして、「独占的な相続は相応しくない」ということから大幅に改正された相続制度。

それが昭和23年(1948年)1月1日に施行された現民法です。

この法改正により、旧民法下で行われていた独占的な家督相続制度は廃止、長男、次男、長女、次女等関係なく、子や配偶者であれば平等に相続することができる法定相続制度が定められました。

 

「我が家は何と言おうと長男に家督相続させるのだ!」

これでは、何かと揉めるのは当然です。

 

とは言いつつ、かつての独占的な家督相続に比べれば、聞こえのいい平等相続と現行民法。

ただ、遺産をめぐる相続トラブルという点からみると、昔より増えているようにも思えますが・・・・・

 

それでは、よい週末をお過ごしください。

司法書士って何ができるの?

こんにちは。

司法書士の中田です。北海道芽室町よりお届けしております。

では、今日のテーマをさっそく。

突然ですが、「司法書士って何ができるの?」という質問をしばしば受けます。

登記手続、相続手続、裁判関係書類作成、などなどありますが・・・

  • 不動産を売りたい・買いたい
  • 不動産を活用したいが方法がわからない
  • 家を建てるにはどこがベスト?
  • 起業するには何が必要?
  • 身内が亡くなったけど、何の手続きが必要?
  • 誰かに相談したいけど、誰に相談していいかわからない
  • 司法書士を目指している!

 

先日、事務所に一本の電話が・・・・

「夫が亡くなり、何をどうしたらいいのかわかりません」

という、お客様からご相談をいただきました。

後日、詳細を伺い、必要な手続きの説明をさせていただきました。

お客様はご主人を亡くされてから、誰に何を相談してよいのかわからず、ずっと悩まれていたようです。

そして、「安心しました!」と、とても安堵された様子でお帰りになりました。

 

「司法書士」と聞くと、なんだか難しそうと思うかもしれませんが、

漠然としたお悩みでも、それが結果的に業務に関係なくてもいいのです。

場合によっては、適切な専門家を紹介することもあります。

 

お約束のキャッチフレーズをここで・・・・

司法書士は「身近なくらしの法律家」なのです。

 

では、よい週末をお過ごしください。

ご挨拶

「コスモとかち 中田司法書士事務所」のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

当事務所の代表者 中田 裕一です。

不動産登記、会社・法人登記といった登記業務のほか、相続、遺産分割、遺言などの業務を中心に行っております。

高齢化社会を迎え、遺言や成年後見制度についての知識がますます必要となっています。

「難しい法律をわかりやすく」をモットーにセミナーや無料相談会を開催し、制度の普及・啓発・情報提供に努めています。

中田司法書士事務所は法律相談家という立場から、皆様が今後の人生を安心して送っていただけるよう、全面的にサポートいたします。