「意思能力を欠くもの」第3回 ~認知症と成年後見制度~

こんにちは。

司法書士の中田です。北海道芽室町よりお届けしております。

 

認知症になる前に知っておいていただきたい制度ということで、シリーズ数回に分けてご紹介しております。

 

では、前回の続きからさっそく。

 

第1回目から振り返ってみましょう。

「親が認知症になると親名義の家や土地などの不動産は子でも売ることはできません」

 

ということで、第2回目では 「成年後見制度」 についてご紹介しました。

 

そんな制度があったのか!! それなら 「法定後見制度」 を使えばよいのでは?!

 

と、いうところで、「つづく・・・・・」 でしたね。

 

今回は、その 「法定成年後見制度の利用に際する注意点」 についてご紹介いたします。

 

1 子などの申立人が希望する候補者が後見人に選ばれるとは限らない

2 後見人が不動産の処分を行うとは限らない

3 本人(親)の自宅を処分するためには家庭裁判所の許可が必要

 

んんん?  2 に注目してみてください。なんだか腑に落ちないですよね?

 

「後見人が不動産の処分を行うとは限らない」

 

そもそも親の不動産処分のために法定後見制度を利用したのにどういうこと? と、なりますよね。

 

後見制度とは、認知症や知的障がい・精神障がい等によって判断能力を失った方のために、成年後見人が代わって財産管理などの判断を行う制度です。

 

つまり、裁判所によって選任された後見人が、本人(親)の財産状況から考えて、不動産の処分が必要ないと判断すれば、処分は行われません。

 

そして、成年後見人であっても、本人(親)の自宅を処分するとなると家庭裁判所の許可が必要になります。そもそも自宅を売却しなければいけない事情を家庭裁判所が認めてくれるかどうかということです。

 

「実家を売ったお金を親の施設への入所費用に充てたい」

 

預貯金等の流動資産が十分あり、月々の収支が黒字になっているような場合はどうでしょう。

 

不動産の処分をする必要はあるのか?

認知症の親のためにどうしても実家を売却しなければいけないという事情・必要性はあるのか?

 

今回のケースだと、後見人が不動産の処分をしないのであれば申立ての動機がなくなります。

 

また、後見人には、報酬が発生します。

 

報酬?!

 

報酬額は親の資産状況から家庭裁判所の決定にもよりますが、おおよそ月に2~3万円とされています。

 

え~・・・・それなら成年後見制度の利用、やっぱりやめます!

 

そんな簡単にはできません

成年後見人は一度選ばれると、本人の判断能力が回復するか、または亡くなられるまで続きます。

なぜなら、本人が判断能力を失っている現状は変わりなく、代わりに判断する成年後見人が必要だからです。

 

 

「成年後見制度」 言葉は聞いたことがあっても、まだまだメジャーではないですよね。

 

次回は 「任意後見制度」 についてご紹介いたします。

 

それでは、よい週末をお過ごしください。

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