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2018年08月30日

「意思能力を欠くもの」第5回 ~認知症と成年後見制度~(相続・遺言の相談は帯広の中田司法書士事務所へ)

NEWS 相続・生前対策関係

こんにちは。

司法書士の中田です。北海道芽室町よりお届けしております。

認知症になる前に知っておいていただきたい制度ということで、シリーズ数回に分けてご紹介しております。

このシリーズも第5回目になりました!

これまでは、任意後見と法定後見の制度についてご紹介してきました。

今回はこの2種類の制度の違いについてご紹介いたします。

 

~任意後見制度と法定後見制度の違いについて考える~

 

まず一番大きな違いは、後見制度の利用時期です。任意後見は、本人の判断能力が充分なうちに後見人を選んで契約しておくのに対し、法定後見は、本人の判断能力がなくなった後に親族などが申し立てを行います。

 

それではもう少し具体的に。

 

  • 任意後見人


1、後見人を自分で決定できる

自分で気に入った人や信頼できる人を選んでその人に将来任意後見人になってもらうように依頼する事ができます。身近な人を指定することも、弁護士や司法書士などの専門職を指定することも可能です。

 

2、後見人の報酬を自分で決定できる

自分の意思で後見人に支払う報酬を決めることができます。

後見人になる人との合意が得られれば、無報酬とすることも可能です。

 

3、業務内容を自由に決めることができる

自分の意思で後見人の業務内容を決めることができます。

金銭の管理方法や処分方法、使い方などを指定することもできますし、自分が入居する施設や病院の指定などもすることができます。

 

 

  • 法定後見



  1. 後見人を自分で決定できない


親族などが後見開始の申立てをした際に候補者を挙げることはできます。

しかし、あくまで裁判所に決定権があるため、候補者以外の人が選任されることもあります。

 

2、後見人の報酬を自分で決定することができない

裁判所が後見人に支払う報酬額を決めます。

報酬額は、管理財産額により違いますが、だいたい月額2万円以上になります。

無報酬になることはありません。

 

  1. 業務内容を自由に決めることができない


法定後見は、判断能力がなくなった本人の財産を守るために業務を行います。

そのため、孫への養育費・教育費の贈与のような家族のためとなる財産の利用、賃貸物件の経営といった財産の運用はできなくなります。

 

法定後見は、認知症など断能力等の低下により、「財産の管理ができない」、「介護サービスや施設の利用契約ができない」、「遺産分割協議ができない」といったような場合、親族が申立てを行い法定後見制度を利用するというケースが多いのではないでしょうか。 高齢化社会の現代では必然的にこの制度を利用しなくてはならないということも決して他人ごとではありません。 ←詳しくは第1回目からご紹介しております。

 

これに対して任意後見は、あくまでも自分や家族の将来に対する備えのため「自主的」に利用する制度です。利用するもしないも自分次第ということです。すなわち、判断の能力があるので、自分で考え、自分で決められるということです。

 

まだまだ大丈夫! そのうち考えよう!

と、思っていませんか?

任意後見に対する認識はまだまだごく少数に留まっているように見受けられます。

 

次回は「任意後見制度の注意点」についてご紹介いたします。

 

それでは、よい週末をお過ごしください。
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